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学習塾をはじめるために、会社を辞めようと思っています。

最終回答:2010/11/25 20:41
回答した専門家:3人
カテゴリー 法務・知財・特許 > 社内トラブル ニックネーム

QUESTION

学習塾をはじめるために、会社を辞めようと思っています。
勤めている会社はいわゆる受験予備校です。

上司に相談したところ、

競合する塾およびその関連会社への就職を禁止する
また学習塾の開業も禁止する、

という主旨の誓約書を書かせるといわれ、それは許さないと言われました。

自分はまったく納得がいかないのですが、こういった誓約書は合法なのでしょうか?

ANSWER

回答日:2010/11/25 20:41

はじめまして。弁護士の柿沼と申します。

まず,この誓約書にサインをすることは絶対に避けるべきです。サインしなければ何か不利益を被るわけでもありませんし,サインをすることによって,新たに競業避止義務が発生することになるからです。

次に,誓約書にはサインをしないとして,退職後に学習塾をはじめることが,現在の会社との関係で違法とならないか,ということが問題となります。

これは,就業規則上に退職後の競業避止義務が定められているか否かによって結論が異なることになります。

1 就業規則上に競業避止義務が定められていない場合
 このケースについては,近時最高裁判決がなされています(最高裁平成22年3月25日)。当該最高裁判決では,営業秘密を用いたり,元の会社の信用を毀損するなどの行為がない以上違法ではない,とされていますので,通常の営業活動の範囲内であれば違法とされるケースは少ないのではないかと思います。

2 就業規則上,競業避止義務が定められている場合
 この場合は一切競業行為が駄目かというと,そうではありません。競業避止義務は職業選択の自由を制限することになるので,裁判上は適用範囲がかなり制限して解釈されています。つまり,競業避止義務によって保護される会社の利益,在職中の従業員の地位,競業が禁止される範囲(業務・期間・地域),代償措置の有無等などを検討し,合理性が認められる場合に限って競業避止義務を有効とする裁判例が多いのです。例えば,近時の判例(東京高裁平成22年4月27日判決)は,
・ 就業規則上競業避止義務が定められていた
・ 退職時に誓約書が提出させられていた(会社の営業機密の開示,漏洩,第三者のための使用の禁止)
ケースです。
この事案では,「本件競業禁止規定により禁止されるのは,従業員が退職後に行う競合する事業の実施あるいは競業他社への就職のうち,それによりX社の営業機密を開示,漏洩し,あるいはこれを第三者のために使用するに至るような態様のものに限定されると解すべきであり,その限りにおいて当該規定の有効性を認めることができる」とされています。
 したがって,仮に就業規則上競業避止義務が定められているとしても,通常の営業活動の範囲内であれば違法とされるケースは少ないのではないかと思います。

以上回答しましたとおり,就業規則上の,退職後の競業禁止規定の有無についてまず確認をし,仮にそれがあるとしても制限して解釈することが出来ないか,検討をする必要があります。その際には弁護士等専門家に相談することをお勧めします。

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専門分野
事業計画・商品開発 経営計画・改善 法務・知財・特許
保有資格
中小企業診断士 弁護士(海外法含む)

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ANSWER

回答日:2010/11/24 15:52

私は実際に競業避止契約にサインをしたことも、またサインを求めた経験もございます。

法律家ではございませんので、経験者の話しとして参考までにお留めください。

会社を辞めることと競業避止契約は全く別の話しです。入社時の条件としてなら必要があるかもしれません。退職時に競業避止契約のサインの必要はありません、断るべきです。機密情報漏洩禁止の誓約書なら理解できます。あなたが今後の仕事で前勤務先の経営に重大な損失を被らせるようなレベルの話しでなければ何もないと思います。競業避止契約は、職業選択の自由と相反しますので、前記のような損失被害の証明を会社が立証しなければなりませんので、書面の効力の有効性は低いと思われます。詳細が不明ですので軽率なことは言えませんが、競業避止契約の法的効力は特殊技術開発者や個人上報・機密情報管理者などに適用されることがあるようですが、一般の会社員に適用されることは少ないようです。

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専門分野
集客・販路拡大・営業戦略 事業計画・商品開発 経営計画・改善
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中国前海股権交易中心(深セン)推薦機構正会員 /上海股権托管交易中心(上海)推薦機構授権会員

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ANSWER

回答日:2010/11/22 19:24

一言で申し上げると,合法(有効)なものと,違法(無効)なものがある,ということになります。
つまり,内容如何によっては合法(有効)になります。

もっとも,既に就業規則等で明確に退職後の競業避止義務(競業を禁止する義務のことです)が規定されていないのであれば,新たな誓約書等に署名押印さえしなければ,このような義務は原則として認められないように思われます。

署名押印してしまった場合,競業避止義務を定める誓約書等については,裁判上,総合判断(退職前の地位,競業が禁止される業務,期間,地域の範囲,代償措置の有無等)で有効性が判定されています。

有効とされた場合には,会社からの損害賠償請求,競業の差止め,退職金の不支給・減額・返還請求,懲戒処分が認められる可能性がございます。

まずは,誓約書に署名押印される前に,就業規則等をお持ちになって,法律の専門家にご相談されることをお勧めいたします。

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