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個人事業主として(地方の)実家を出張事務所として使いたい

最終回答:2026/03/31 07:53
回答した専門家:1人

QUESTION

個人事業主として東京でIT業として開業して3年目になります。
地方に住む親の介護のために実家にて仕事をするために実家の2階を出張事務所にして使いたいと考えています。この際に親に家賃としていくらかの金額を支払うつもりでいますが、この場合、諸手続き(開業届の変更?)は、何が必要になるでしょうか?
また、家賃を経費として認めてもらうためには銀行振込み以外で気を付けることがありましたらアドバイスを頂きたいと思っています。

ANSWER

回答日:2026/03/31 07:53

ご両親の介護をしながらの事業継続、大変なことも多いかと存じますが、非常に大切な決断をされたのだと思います。

東京の拠点を維持しつつ、実家の一部を事務所として利用する場合、「税務上の手続き」と「親族間での家賃経費の考え方」の2点について整理する必要があります。

特に親族への家賃支払いは税務調査で非常に厳しくチェックされるポイントですので、以下の内容を参考にしてください。

個人事業主の実家利用における諸手続きと注意点について

1. 必要な諸手続きについて

東京の拠点を維持しつつ、実家を「事務所・事業所」として追加する場合、以下の手続きが必要となります。

(1)個人事業の開業・廃業等届出書(変更届)の提出
納税地(東京)は変えずに、実家を出張所として登録します。
・届出内容:「新設」の欄に実家の住所を記載します。
・提出先:現在の納税地(東京)を管轄する税務署です。

(2)地方税(事業税)に関する届出
東京都と、実家がある自治体の両方の都道府県税事務所へ、事業所設置の届出が必要になる場合があります。自治体によってルールが異なるため、電話等で確認することをお勧めします。

2. 「生計を一にしているか」による経費の判断(所得税法第56条)

親族への支払いについては、税務上の非常に重要なルールがあります。

(1)親と「生計を一(お財布が一緒)」にしている場合
この場合、親に支払う「家賃」は経費として認められません。
ただし、家賃の代わりに「実家の固定資産税」「住宅ローンの金利」「減価償却費」「火災保険料」などのうち、仕事で使っている面積分を按分して経費にすることが可能です。

(2)親と「生計が別」である場合
親御さんが自身の年金等で独立して生活しており、相談者様と財布が完全に分かれている場合に限り、支払う家賃を「地代家賃」として経費にできます。

3. 家賃を経費として認めてもらうための注意点

「生計が別」であり、正当な家賃として計上するために必要な準備は以下の通りです。

(1)賃貸借契約書の作成
親子間であっても、第三者との契約と同じように「建物賃貸借契約書」を作成してください。使用する部屋の番号や畳数、共用部分の使用条件などを明記します。

(2)適正な家賃設定(相場の調査)
家賃が高すぎると「贈与」とみなされる可能性があります。近隣の似たような物件の相場を調べ、それと同等か、やや低い程度の金額に設定してください。比較した物件情報を印刷して保管しておくと証拠になります。

(3)親御さん側の確定申告
相談者様が家賃を経費にする場合、受け取る親御さん側には「不動産所得」が発生します。
親御さん自身が確定申告を行う必要が出てくるほか、所得増により親御さんの税金や健康保険料が増えたり、扶養から外れたりする可能性があるため、事前にシミュレーションが必要です。

(4)面積按分の根拠となる図面の用意
家全体の間取り図を用意し、仕事部屋として使っている面積が全体の何%かを明確にします。電気代やネット代も、この比率や使用時間に基づいて計算(按分)します。

(5)実態の証明
本当にそこで仕事をしている証拠を残します。
・実家の住所を記載した名刺
・実家宛に届いた仕事関係の郵便物
・仕事部屋の様子がわかる写真(デスク、パソコン等の配置)

親御さんの所得状況や介護の状況によっては、家賃を支払うよりも「専従者給与(青色申告の場合)」を支払う、あるいは「家の維持費(固定資産税等)を按分する」方が、トータルの税負担が軽くなるケースも多いです。

介護で忙しくなる前に、一度お近くの税務署の相談窓口や税理士のスポット相談を利用して、最適なスキームを確認しておくことを強くお勧めします。

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専門分野
事業計画・商品開発 IT・インターネット 経営計画・改善
保有資格
中小企業診断士 FP(ファイナンシャルプランナー) (公財)東京都中小企業振興公社専門家派遣事業支援専門家(登録番号:1661)/認定支援機関(ID:107413010710)/事業承継士/目標達成法『原田メソッド』認定パートナー /地域DXプロデューサー

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