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決算時期について、3月と12月の会社が多いようですが、何月に したら良いですか?
決算時期は、日本では、ほとんどの会社が、3月か12月に設定していますが、実はこれには決まりはありません。
年に一度の自由な日付に設定して良いことになっています。
ですので、3月や12月に限らず、5月5日でも、10月10日でも、誕生日でも、好きな日付に設定することも可能なのです。
それではなぜ、多くの会社が3月や12月に設定しているのか。
それには、いくつか理由はあります。
大きなところでは、国の予算期間が4/1~3/31の期間に設定されているため、国や地方自治体との仕事が多い場合には、時期を合わせた方が、予算を組みやすい、ということがあげられます。
また、上場企業では、決算内容を株主総会で発表する必要がありますから、株主総会の時期を合わせることで、総会屋を避けるための対策になる、とも言われています。
12月末に決算時期を設定している会社の中には、単純にキリがいい、という理由で決めている会社も少なくありません。
一方で、ユニクロを運営しているファーストリテイリング社などでは、9/1~8/31を年度の期間としており、8月末に決算日を設定していたりもします。
つまり、会社それぞれの思惑にあわせて、自由な日付に設定することが出来る、というのが本当のところです。
それでは、これから起業する際、決算時期を自分が好きな日など、適当な日に設定しても、本当に問題がないのでしょうか?
その回答は、イエスでもありノーでもあります。
ルールとしては決まりがありませんから、そういう意味では、自由に設定してオッケー、つまり回答は、イエスです。
しかし、決算というのは、会社にとって非常に重要な問題です。決算時期をいつにするか、によって、会社の経営にまで大きな影響を与えてしまうような問題ですから、自由な日に設定しても良い、とは言え、しっかりと考え抜いてから設定するべきである、という意味で、回答はノーになります。
それでは、決算時期を決めるには、具体的に、何を参考に考えたら良いのでしょうか?
これには、大きく分けて、2つのポイントがあります。
1つ目は、税理士との関係。そして2つ目は、銀行との関係、です。
まず、決算に当たっては、決算報告書の提出が義務づけられています。
そしてその決算報告書は、決算から2ヶ月以内に、税務署に提出する必要があります。
例えば3月末決算であれば、5月末までに、12月末決算であれば2月末までに、決算処理をして、決算報告書を作成しなくてはいけません。
多くの会社が決算を3月末と12月末に設定しているため、税理士にとってみれば、5月と2月は忙しい時期となります。
言い換えてみれば、他の時期は比較的ヒマな時期となります。
つまり、あなたの会社が税理士に顧問を依頼する際、決算時期が3月末と12月末以外の月であれば、比較的、丁寧に対応してくれる可能性もある、ということです。
もちろん、これは税理士によっても違いますので、一概には言えませんが、例えば、人気のあるような税理士でも、繁忙期でなければ、余裕もあり、顧問になってくれる可能性が出てくるのです。
次に、銀行との関係ですが、銀行から融資を受けたいとき、銀行は必ず決算書をチェックします。
ある程度、銀行とのつきあいが長く、信頼関係ができている会社であれば、期中でも随時、お金をつなぎ融資をしてもらうことは可能です。
しかし、信頼関係もない創業して間もないベンチャー企業では、直近の月が黒字であっても、前年度の決算書が赤字だと、まず、お金を貸してはくれません。
そうすると、せっかく儲かり始めたのに、運転資金が不足して、黒字倒産なんてことにもなりかねません。
前年度赤字でも、期中にお金を貸してくれるようなノンバンク系の銀行もありますが、利率が高く、これはこれで、リスクが高くなります。
決算で赤字になると、翌年の1年間はお金の調達が難しくなります。ということは、決算とは、年に一回、お金を借りられる状態にできるかどうかを決める、大事な機会でもあるわけです。
決算のタイミングで、黒字にすることは、会社を運営していく上ではとても大事なことなのです。
つまり、最後で追い込みがきいて、それまで赤字であっても黒字に挽回できる、売上げが一番立ちそうな月を、決算月にするというのは、会社経営においては非常に重要な戦略なのです。
売上の立ち方は会社の事業内容などによりまちまちです。これから始める事業の内容について良く考え、タイミングを見極めてみてください。
例えば私の会社の場合、WEBの制作事業をメインにしていた頃は、12月および3月は、一年の中でももっとも仕事が多い、稼ぎ時でした。
これは、多くの企業が12月か3月を決算期にしているため、その前に、宣伝費用などの余った予算を使い切ろうとするため、これらの月に、発注が集中するのです。
これらの月で、年間の半分近く稼いだ年もあるほどです。
一方で、私の知り合いの、人材研修を行う会社は、4、5月が一番忙しい時期なんだそうです。
この時期は、新入社員研修が多く組まれるために、土日も休めないほど案件が入ってくると言っていました。
たとえば、この研修会社で考えてみると、3月末に決算時期を組んでしまうと、仕事が一番入る直前に、決算を締めることになります。
おまけに、決算処理を5月末に終わらせなくてはいけないので、一番忙しい時期に、決算業務もこなさなくてはいけないため、社内が大混乱になることは間違いありません。
決算時期というと、当たり前のように3月や12月とイメージされるかもしれませんが、なんとなく3月、などと設定するのではなく、これから始める事業の内容に合わせて、しっかりと戦略を練って、決算時期を決定してください。
おおよそ、どの業界も年間を通しての忙しさの波がありますので、決算時期を決める際は、事前に必ずその波を調べてから決定することをおすすめいたします。
但し、実は、決算時期というのは、後から変えることができるのです。
創業して数年は、3月末や12月末といったキリの良い日付に設定し、業務の波が見えてきたら、それに合わせて決算月を決めていくというのも、ひとつの手かもしれませんね。
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